後期って?ベートーベン弦楽四重奏第15番作品132

この作品の説明には必ず「後期のベートーベン」と書かれますが、どういう音楽を期待できるか、考えたとき、ベートーベンの音楽的な発展は置いておいて、ベートーベンが、年をとって、自分の人生を振り替えたときに、何を感じていたか想像すると面白いと思う。自分のキャリアに満足していたか、人にサポートされていたか、金銭的に苦しんでいたか、人生のパートナーがいたか、何をめざしていたか…人の頭なのかには入れないけど、音楽を通して感情の波に乗るには、気持ちの想像力が必要だと思う。

ではでは、今夜はどこまで行けるか...

弦楽四重奏第15番作品132を書いたときベートーベンは55才。当時のヨーロッパの平均余命は30-40才!かなりシルバーだね。亡くなる2年前でした(1825年)。

Beethoven
生まれたのは1770年。才能が明らかで6才から天才ピアニストとして舞台に立たされて親に期待されてたのに、本人は演奏活動よりは勉強に励んで、先生を探しながら作曲の世界に進む。1794年ウィーンの上級貴族に偉大な作曲家として認められ、生活費をサポートしてもらいながら作曲に専念できていた。ただ、キャリアは順調なのに身体がついてくれなくて、田舎で治療。耳はすでに聞こえなくなり始めた。自殺を考える時期もあり、なんとか乗り越えて作曲を続ける。ベートーベンは一生独身。恋愛をしながらもお相手が貴族、平民との結婚は認められず。支えてもらいながら、仲間にはなれず... 1810年よりナポレオン戦争の影響で仕事の依頼が減り、弟の看病に大金を注いだり、甥っ子の父代わりしたり。実は小さい頃から弟たちの面倒を見るお兄ちゃんだった。もう耳の聞こえないお爺ちゃんなのに。エネルギーの元はなんだったんだろう。1824年に交響曲第9番を書き終えてから、大物の作品をやめて、室内楽に思いを込めはじめた。

作品132の3楽章に付け足した題名:
"Heiliger Dankgesang eines Genesenen an die Gottheit"
「病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」

興味わきましたか?是非、お爺ちゃんの気持ちを想像しながら、聞いてみてください。
おすすめは:
Alban Berg Kioi Hall 2001
http://www.youtube.com/watch?v=ja_YqCUmgAY

生で来てみたくて明日時間のある人!
夕方に私がこの曲の一部に加わって演奏します。

2017年6月11日(日曜日)東大オーケストラ OB 有志による室内楽コンサート#9
【開場】17:40【開演】18:10【入場料】無料
【会場】
ミューザ川崎シンフォニーホール・市民交流室

数席が残っているようですので、ご都合の合う方がいれば、是非いらしてください。この曲の生演奏を無料で聴くチャンス、なかなかありません!
2017_6_10


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コンサート情報

  LaVita 〜大切なあなたへ〜
「真夏の情熱のスペシャルコンサート」
  2017年7月29日(土曜日)
【会場】
日本橋社会教育会館【開演】14:30
【全席自由】大人3,500円 高校生以下1,000円(未就学児無料)
【出演者】石川寛子 Vn、大塚幸穂 Vc、長谷川芙佐子 Pno、大村典子 Harp  
【曲目】ひまわり、コーヒールンバ、ジュピター、ツイゴイネルワイゼン、映画「ラベンダーの咲く庭で」より、サマータイム、アイガットリズム、ラプソディーインブルー、ヘンデル:ハープコンチェルト、愛の夢、ショパン:序奏と華麗なるポロネーズ、他
【アクセス】都営浅草線、東京メトロ日比谷線 人形町 A6, A2出口より徒歩4分
お問い合わせ&申し込み】メール:sachiho@timberringmusic.com
【主催】
Kクリエイト
【FB】
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